清純派はどこへ？ 白石麻衣の写真集が意味すること③
しだいに白石の写真集自体から、話が離れてきましたが、もうしばらくお付き合いください。今回はアイドルとキャバ嬢、AV女優の仕事の近さについて考えます。僕たちは女性アイドルに「清楚」ということを求めるわけですが、そのイメージ形成はじつに不安定なところにあることが分かります。
●キャバ嬢とアイドルの近さ
2013年11月17日の私物サイン会の様子（運営ブログより*1）
今日のアイドルは、握手会やハグ会など、いまやさまざまな「接触会」をおこなっています。そこではメディアごしではなく、直接会いに行って応援できるため、双方向的なコミュニケーションが成り立ちます。応援する者の顔を、アイドル達がしっかり認知しています。これまでの会話や、ブログへの書き込みなどをきちんと把握しておき、そのコミュニケーションがより充実するように努力するアイドルもいます。
ここまで一対一の関係が強まると、キャバクラ嬢の仕事が連想されます。むろんアイドルは歌やダンスのパフォーマンスが本業なので、キャバクラ嬢とまったく同じものではありません。しかしキャバクラ嬢と同じように、客あしらいを学び、熱心なファンをつけることが重要な仕事のひとつとなっていることは紛れもない事実です。
そもそも秋元康氏がＡＫＢ総選挙のシステムを思いついたのも、キャバクラの仕組みがきっかけという話もありますよね。そして夜の世界にも、生誕祭があります。
小林さんは、柏木さんがキャバクラ嬢役を演じることにショックを受けたようですが、その仕事上のシステムはあまり大きな違いがありません。
●AV女優とアイドルの近さ
さらに話を広げると、専業アイドルとAV女優の仕事も、けっこう近いことが分かります。
「恵比寿マスカッツ」の存在を知る人は、とても多いと思います。蒼井そら、麻美ゆまといった人気AV女優たちをメンバーに含んで、2008年に結成されたアイドルグループです。僕がその活動を知ったとき、「AV女優とアイドルという組み合わせは、違和感があるなあ。AV女優という仕事は、アイドルとして活動するほど市民権を得たんだなあ。」と感じたことを覚えています。
しかし少し調べてみると、AV女優とアイドルの融合は、実は20年以上むかしから始まっていました。たとえば80年代後半に活躍した早川愛美、秋元ともみ、かわいさとみなどは、ソロで歌手デビューし、学園祭でコンサートをおこなうほどの知名度を得ていたようです。また2000年代初頭にも、当時の人気女優がグループを組んでアイドル活動をおこなっていました。年配の方々はよくご存じのことかもしれませんが、AV女優とアイドルの融合は、別に新奇なものでも何でもないのです。
アイドルもキャバ嬢もAV女優も、その容姿やコミュニケーション能力を武器にする仕事です。アイドル、特に乃木坂だけを見ていると、気づきにくいことですが、その仕事のあり方は、キャバ嬢やAV女優と連続的なものです。
とは言っても、どこかに線引きはあるようです。
今回の写真集はセーフかな？それとも…（運営ブログより*2）
数年前に元AKBのメンバーがAV女優になったときは、世の男性の間ではけっこうセンセーショナルな話題になりました。もし専業アイドルとAV女優の間に、大きな差がないのなら、大きな話題になるはずがありません。
それでは、アイドルと他の職業との線引きは、一体何なのでしょうか。
